葬儀の基礎知識

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 2016/08/04

葬儀式場の種類

葬儀を行う式場(斎場・会館)も様々なものがあります。
自宅、寺院などの宗教施設、葬祭業者が運営する専門の式場(葬祭会館・斎場)、自治体や公共団体の施設、ホテルなどです。その中で、どの式場を利用すべきかを考える材料として、それぞれの長所や短所を下記に紹介します。

自宅
近年、自宅葬をされる方が少なくなりました。集合住宅に住む人が増え、ご近所付合いが希薄になるなど、生活環境の変化によって、葬儀を自宅で行う人は急減しました。しかし、故人を自宅から送り出したいという心情や、費用的な面から、自宅で葬儀を行いたいというニーズもあります。
長所
・ 式場利用費が省ける分、費用負担が抑えられる
・ ご近所の参列者の方にお越しいただききやすい
短所
・ 祭壇用・お清め用・ご住職用の控え用と用意するお部屋が多い
・ 密葬や家族葬を希望していた場合、結果的に沢山の人が弔問にこられて、密葬・家族葬でなくなってしまう。
・ ご近所の方への気遣いが大変。

公営斎場
市区町村などが所有している葬祭会館、あるいは葬祭会館として使用可能な集合施設です。例えば、東京23区には区営の葬祭会館が数多くあります。他の地域でも、火葬場に併設される葬祭会館などがこれにあたります。また、自治会館、町民館、コミュニティセンター、マンションの集会場などの施設もあります。
長所
・ 式場利用料の負担が少ない
・ 火葬場併設斎場は移動がなく便利と同時に車両負担がかからない
短所
・ 費用負担が少なく人気があるため、数日待つこともある
・ 交通の便が良くない場合がある

民間貸し斎場
葬祭業者が葬儀や法事を行うために作った施設で、機能的には最も充実しています。葬儀を行う部屋だけでなく、宿泊の施設や、会食の施設、宗教者の控室なども用意されているケースが多く、建物のデザインに趣向を凝らしたものもあります。特定の葬儀社の自社斎場でなく、貸し斎場の場合は、基本的にどこの葬儀社でも利用できます。
長所
・ 設備が整っていて交通の便がいい
・ 準備や人手がほとんど必要ない
短所
・ 斎場利用料が高額の場合がある

葬儀社の自社斎場
民間の貸し斎場と同様に、施設が充実していますが、葬儀社が所有する斎場の場合は、その斎場を所有する葬儀社に葬儀を依頼することが、斎場を使用する条件になります。
長所・・・民間斎場と同様の長所に加えて
・ 利用時間の融通が利く
・ ご遺体の安置だけの対応も可能
短所
・ 利用葬儀社が限定される

寺院斎場
寺院の場合、本堂などで葬儀を行う場合と、境内地などに別途葬祭用の会館(貸し斎場)を建設して一般に貸し出す場合があります。前者の場合は、檀家の葬儀が中心になりますが、後者の場合は、他の宗派でも利用できることが多く、東京などの都市部で多く見られます。
長所・・・民間斎場と同様の長所に加えて
・ 斎場の少ない地域にも対応。
短所
・ 宗教や宗派が限定されることがある。
・ 読経をお願いしなければならないことがある
・ 利用する葬儀社が決まっているケースがある

ホテル
最近では少子高齢化の流れからか、お別れ会・偲ぶ会などを行うホテルが増えています。施主にとっては参列者へのもてなしや、宿泊を考えるとホテルには利点がありますが、基本的には遺体の持ち込みや、焼香などの点では制約を受けますので、厳密には葬儀の式場とは言えません。
長所
・ 参列者のもてなし、宿泊に有利
短所
・ 遺体の持ち込み、焼香ができない
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