葬儀の基礎知識
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葬儀式場の種類葬儀を行う式場(斎場・会館)も様々なものがあります。 自宅、寺院などの宗教施設、葬祭業者が運営する専門の式場(葬祭会館・斎場)、自治体や公共団体の施設、ホテルなどです。その中で、どの式場を利用すべきかを考える材料として、それぞれの長所や短所を下記に紹介します。 自宅 近年、自宅葬をされる方が少なくなりました。集合住宅に住む人が増え、ご近所付合いが希薄になるなど、生活環境の変化によって、葬儀を自宅で行う人は急減しました。しかし、故人を自宅から送り出したいという心情や、費用的な面から、自宅で葬儀を行いたいというニーズもあります。 長所 ・ 式場利用費が省ける分、費用負担が抑えられる ・ ご近所の参列者の方にお越しいただききやすい 短所 ・ 祭壇用・お清め用・ご住職用の控え用と用意するお部屋が多い ・ 密葬や家族葬を希望していた場合、結果的に沢山の人が弔問にこられて、密葬・家族葬でなくなってしまう。 ・ ご近所の方への気遣いが大変。 公営斎場 市区町村などが所有している葬祭会館、あるいは葬祭会館として使用可能な集合施設です。例えば、東京23区には区営の葬祭会館が数多くあります。他の地域でも、火葬場に併設される葬祭会館などがこれにあたります。また、自治会館、町民館、コミュニティセンター、マンションの集会場などの施設もあります。 長所 ・ 式場利用料の負担が少ない ・ 火葬場併設斎場は移動がなく便利と同時に車両負担がかからない 短所 ・ 費用負担が少なく人気があるため、数日待つこともある ・ 交通の便が良くない場合がある 民間貸し斎場 葬祭業者が葬儀や法事を行うために作った施設で、機能的には最も充実しています。葬儀を行う部屋だけでなく、宿泊の施設や、会食の施設、宗教者の控室なども用意されているケースが多く、建物のデザインに趣向を凝らしたものもあります。特定の葬儀社の自社斎場でなく、貸し斎場の場合は、基本的にどこの葬儀社でも利用できます。 長所 ・ 設備が整っていて交通の便がいい ・ 準備や人手がほとんど必要ない 短所 ・ 斎場利用料が高額の場合がある 葬儀社の自社斎場 民間の貸し斎場と同様に、施設が充実していますが、葬儀社が所有する斎場の場合は、その斎場を所有する葬儀社に葬儀を依頼することが、斎場を使用する条件になります。 長所・・・民間斎場と同様の長所に加えて ・ 利用時間の融通が利く ・ ご遺体の安置だけの対応も可能 短所 ・ 利用葬儀社が限定される 寺院斎場 寺院の場合、本堂などで葬儀を行う場合と、境内地などに別途葬祭用の会館(貸し斎場)を建設して一般に貸し出す場合があります。前者の場合は、檀家の葬儀が中心になりますが、後者の場合は、他の宗派でも利用できることが多く、東京などの都市部で多く見られます。 長所・・・民間斎場と同様の長所に加えて ・ 斎場の少ない地域にも対応。 短所 ・ 宗教や宗派が限定されることがある。 ・ 読経をお願いしなければならないことがある ・ 利用する葬儀社が決まっているケースがある ホテル 最近では少子高齢化の流れからか、お別れ会・偲ぶ会などを行うホテルが増えています。施主にとっては参列者へのもてなしや、宿泊を考えるとホテルには利点がありますが、基本的には遺体の持ち込みや、焼香などの点では制約を受けますので、厳密には葬儀の式場とは言えません。 長所 ・ 参列者のもてなし、宿泊に有利 短所 ・ 遺体の持ち込み、焼香ができない詳細はこちら
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葬儀社の種類葬祭を行う業者は、大別すると次の3種類になります。 一般葬儀社 冠婚葬祭互助会 (積立金を基に葬儀を行う) 「JA(農業協同組合)」や「生協」 (主に組合員を対象としたサービスの一環) この他にも、一部の自治体やホテル、鉄道業者なども葬儀を行っているところがあります。仏壇店、墓石店、生花店、またブライダル業などから参入している業者もあります。 一般葬儀社 葬儀社の仕事は、葬儀という儀式を施行していくことです。ただし葬儀というものは、葬儀社を始め、仕出し業者、ギフト会社、霊柩車会社など、様々な人たちの協力でとり行われます。そうした複数の業者のコーディネートをするのも葬儀社の仕事になります(他の業者への支払いは、葬儀社が立て替えて、まとめて喪家に請求します)。 規模については、家族経営の小さなところから、都道府県をまたいで多数の事業所を持つところまで多岐にわたります。また、ホールを持っている葬儀社と、持っていない葬儀社もあります。首都圏などでは、寺院の葬祭ホールや公営のホールを利用することが多いため、ホールを持っていない葬儀社が多いようです。 互助会 互助会は、会員が毎月掛け金を積み立てて生前予約を行う形の葬祭業者です。 互助会といってもあくまでも民間の営利団体です。互助会が倒産すれば、「割賦販売法」の適応を受けるため、積立金の1/2が保全されますが、全額が保証される訳ではありません。 また、積立金で葬儀のすべての費用がまかなえるものではありません。 解約もできますが、手数料が必要となります。 JA・生協 JAの葬儀は基本的には組合員を対象としていますが、組合員以外の葬儀を手掛けているところもあります。 JAには、専門の葬儀社と提携しているところと、独立して株式会社化しているところがあります。 生協も多くは専門の葬儀社と提携しています。一般的に、生協の行う葬儀の特徴として、価格が明朗な点があげられます。 JAも生協も事業者によって形態やサービスには違いがあります。 *共済 葬儀社ではありませんが、複数の葬儀社や互助会がネットワーク化して運営されているシステムに共済があります。 一般に、入会金を支払って会員になると、葬儀費用が割引かれるという会員システムが共済です。 地域の葬儀社のネットワーク、全国的な規模のネットワークの場合もあります。 また、他業種と提携して特典をつけたり、企業や団体の厚生制度と提携したり、保険会社と提携している共済もあります。 ただ、共済という名前が付いていても、ほとんどの共済は法的な根拠のないものです。この無認可共済は、保険業法改正により保険業 、少額短期保険業のいずれかに移行されました。これにともない、無認可共済は2008年4月以降は新規の契約は行えなくなりましたが、それ以前に引き受けた共済の管理は2009年3月まで行えます。詳細はこちら
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